ITRC meet24 プログラムの詳細です。
1 日目 (2008 年 11 月 5 日 (水))
13:00 〜 15:00
オープニング
14:00 〜 17:30
[共催セッション] IA 研究会共催 学生セッション
17:30 〜 18:00
[展示デモ紹介セッション] 担当: PC/LA
デモ展示企業
18:00 〜 20:30
懇親会
20:30 〜 22:00
[ナイトセッション] 担当: RIBB 分科会
RIBB 分科会企画: 若手の研究者・技術者をどう育成するか −わくわくするネットワーク研究とは−
チェア: 樋地正浩 (日立東日本ソリューションズ/東北大)
研究者層の平均年齢があがるなか、研究コミュニティの若手研究者をどのようにして増やし、活性化していくかは大きな問題である。本セッションでは、この問題について、議論を深めたい。そのためにまず、RIBB (地域ネットワーク活動分科会) で取り組んでいる「論文書こうプロジェクト」について紹介する。その後、会場も交えて議論を行いたい。
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若手の研究者・技術者をどう育成するか −わくわくするネットワーク研究とは−RIBB では、2007 年より、大学の若手研究者の業績になる論文作成を支援することにより、これら若手研究者の RIBB の活動への参画、活動の活性化を目標に「論文書こうプロジェクト」を開催してきた。「論文書こうプロジェクト」は、書かれた (書こうとしている) 論文の構成、内容について、これまで査読経験のある中堅以上の研究者や他の研究者がコメントや指摘を行ない、それにもとづいて論文の内容や書き方をブラッシュアップし、最終的には採録を目指す活動である。対象となる論文は、論文の種の段階から論文を投稿して条件付採録になった論文まで幅広い。論文の種の段階では、論文の章構成の組み立て方や論理構成、比較した方が良い他の研究論文の示唆までを指摘し、条件付採録の段階では、査読者の指摘内容をふまえてどのような修正や回答をすればよいかをコメントしている。
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論文書こうプロジェクトの効能論文書こうプロジェクトに参加することで得られた利点、特にどのような指摘やコメントがどのように役立ったかについて、論文を書く側の視点から報告する。
- 議論
上記をふまえ、会場を含めて若手の研究者・技術者をどう育成するかについて議論を行いたい。
2 日目 (2008 年 11 月 6 日 (木))
9:00 〜 12:00
[セッション] 担当: CIS/INI 分科会
CIS/INI 分科会
チェア: 未定
第一部
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既存の認証基盤を用いて SAML2.0 IdP を構築する方法に関する一考察NII が中心となって進められている UPKI プロジェクトにおいて、大学間連携を推進するために OASIS の標準プロトコル SAML2.0 を用いたシングルサインオンの実証実験が実施されている。大阪大学でも IdP 構築の実証実験に参加している。大阪大学では特に、既存の認証基盤が構築されている大学において、新たに SAML2.0 の IdP による連携を構築する際の問題点について調査を進めている。本発表では、調査状況の中間報告を行う。
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大学間認証連携を利用したロケーションプライバシーを守る匿名 eduroam アカウントeduroam は、無線 LAN での 802.1X 認証と、ツリー型に構成された RADIUS proxy により実現された、世界規模の無線 LAN ローミング方式である。利用者は、世界中の eduroam 対応アクセスポイントで、利用者自身の組織で発行された ID とパスワードを用いて認証し、無線 LAN を利用することができる。しかし、認証情報を中継した RADIUS proxy のログ等から、利用者のロケーションプライバシーが侵害される恐れがある。そこで、本研究では、個人を特定できないよう匿名アカウントを利用する方法を提案する。更に、この手法と SAML による大学間認証連携とを組合わせることで、利用者の所属組織すらも特定できない匿名アカウントを実現する手法を提案する。
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Dynamic Path Validation を用いた認証局の信頼ドメインの拡張に関する提案近年増え続けるフィッシング詐欺や、情報漏洩などのセキュリティ対策として、高等教育機関、および企業において公開鍵基盤の果たす役割は、益々重要視されている。しかし、認証ドメイン間の信頼確立は、閉塞性と硬直性という問題によって、信頼ドメインを容易に拡張できないなど、スケーラビリティ面で多くの問題を抱えている。これらの問題を解決する手段として、証明書パスの検証において保証レベルの概念を追加して証明書パスの概念を拡張する。この拡張された「保証レベル付きのパス」の検証アルゴリズム、および関連するソフトウェアアーキテクチャを提案する。これにより、従来の証明書パス検証に欠けていたパス構築の動的制御、評価レベルを反映したパスの構築などの柔軟性を得ることができる。
第 2 部
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マルチキャストによる一斉送信を利用した大容量ファイル複製ツールの開発近年、マルチメディア素材や仮想ディスクイメージといった大容量のデータを取り扱う機会が増えている。これらのデータは多数の端末から同時にアクセスされる利用法が多いという特徴もあるが、ファイル共有技術を利用する手法はサーバに負荷が集中し必要なアクセス速度が確保できない。また、ユニキャスト技術を利用してファイル複製する手法では、複製作業に時間がかかりすぎるという問題があった。研究者らはマルチキャスト技術を利用し一度に複数の複製を作る手法により、大容量ファイルの多数の複製を短時間に作成するツールを開発した。このツールでは転送の信頼性を高めるために独自のチェックサムを導入した。また、マルチコア CPU が普及している点にも着目し、複数のバッファを利用した転送の性能向上のためにマルチスレッド技術を利用している。本発表においては、このツールによる転送試験の結果も併せて報告する。
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高遅延環境下でのネットブート Windows の特性と対策近年、Windows システムの安定運用とセキュリティの維持のために、ネットブート機構を利用した Windows システムの利用が増えている。この機構によるシステムはディスクアクセスをサーバに対するネットワークアクセスに変換するため、高遅延環境下で利用する際には性能低下が著しいという問題があった。研究者らはこの機構で利用される仮想ディスクの更新頻度が端末からのディスクアクセスの頻度に比して低い点に着目し、この特徴に適応したキャッシュ機構を端末側に導入することで、高遅延環境下においても性能低下を最少化するシステムを開発した。また、このキャッシュ機構によりサーバへの負荷が大幅に削減され、端末数が増えた際にサーバに負荷が集中し性能低下を引き起こす問題も解消した。本発表においては、ネットブート Windows 機構の特性を示すと共に、このキャッシュ機構による性能改善の効果を報告する。
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キャンパスネットワークにおける仮想化技術の活用キャンパスネットワークは学部、研究室、学生等からの多様な要求により管理が複雑になる一方で、運用コストの削減も求められている。ネットワークの仮想化技術がこれらの問題に対してどのような解決策を提示できるか紹介する。
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多様な大学間連携のための SINET3 VPN サービス広域ネットワークはこれまでインターネット環境を提供するためのバックボーンとしての役割が中心であったが、近年では広帯域化とともに高機能化が進んでいる。中でも VPN サービスへの需要は高く、学術分野においては、大学のキャンパス間ネットワークの構築のみならず、大学等間の多様な連携を実現するために重要な役割を持つようになってきている。本発表では、2007 年度から国立情報学研究所がサービスを開始した SINET3 において提供される多様な VPN サービスを事例を交えながら紹介するとともに、ITRC での活用について考える。
12:00 〜 13:00
昼食
12:00 〜 13:00
ITRC 運営委員会
13:00 〜 15:00
[セッション] 担当: JAMINA 分科会
地域・医療ネットワークの問題解決型研究開発について
チェア: 戸倉 一 (札幌医科大学、ネットワンシステムズ)
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地域・医療ネットワークの問題解決型研究開発
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地方における通信品質向上の実証例と今後の展望 −EoIP 機器 (TP) による VGN−
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新世代 End-to-end マルチホーム IP–
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遠隔医療・生涯教育ネットワークの構築と VGN 活用
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医療情報ネットワークの標準化問題の解決策: 地域 ICT 遠隔医療版
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まとめ
16:00 〜 18:00
[セッション] 担当: NGN 分科会
アンビエント情報社会の実現に向けたネットワーク基盤技術の研究動向 – 情報工学、社会学、生物学からのアプローチ –
チェア: 笹部 昌弘 (大阪大学)
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ブルームフィルタを用いた重複 ACK 検出方式我々はパケットサンプリング計測環境下で TCP パケットロスを計測する方式を検討している。これまでは、エクスポータ側でサンプリングを行い、コレクタ側でサンプリングヘッダ情報からパケットロスを推定するという sFlow 型のシステムで検討を行っていた。このシステムのコレクタでは、柔軟に処理の定義を行えるが、処理負荷が重く、システムのボトルネックとなりやすいという問題がある。この問題を解決するため、本研究ではエクスポータ側である一定の処理を行い、その結果をコレクタ側に通知・解析する NetFlow 型のシステムを提案する。この際エクスポータ側では高速な処理が必要となり、複雑な処理が困難であるが、ブルームフィルタを用いることで軽量に必要な処理を取得する方式を提案する。
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シェリングモデルを用いた P2P オーバレイネットワークのためのトポロジ構成法の検討近年、ネットワークのさらなる大規模化・複雑化に伴い、ネットワーク全体の制御がますます困難になっている。我々の研究グループでは、社会学的なアプローチを用いた、大規模・複雑ネットワークの制御手法の検討を進めている。人間社会は、膨大な数の人によって構成される大規模複雑システムである。人間社会を正常に機能させているメカニズムに学ぶことにより、大規模・複雑ネットワークの新しい制御手法の実現を目指している。社会学的アプローチによる先駆的な研究として、Singh らが提案している、シェリングモデルを用いた P2P オーバレイネットワークのトポロジ構成法の研究がある。Singh らの手法では、ノードの種類が二種類であることを前提とし、エンド- エンド間のスループットを向上させることを目指していた。本研究では、Singh らの手法を、自然な形で多様性を有するネットワークに拡張するとともに、その特性 (ロバスト性、収束特性、耐故障性) をシミュレーション実験により明らかにする。
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進化ゲーム理論を用いた P2P ファイル共有システムの性能評価Peer-to-Peer (P2P) 型ファイル共有システムでは、ノードが協力的にファイルをキャッシュし、他のノードへ提供することでファイル可用性が向上する。しかしながら、ファイルのキャッシングにはストレージの消費、処理負荷、帯域の消費などのコストがともなうため、ユーザが自身の利益のみを優先しキャッシングに対して非協力的な行動をとると、需要の低いファイルがシステムから消失するなどの問題が発生する。そこで本稿では、ユーザの利己的な振る舞いがシステム全体の性能に与える影響を進化ゲーム理論を用いて明らかにする。特に、キャッシングに対する積極性がユーザごとに異なる状況において、ユーザの多様性がファイル可用性の観点で有利に働くことを示す。
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アトラクタ選択を用いた MANET クラスタリングアンビエント環境を実現するためには、時々刻々と変化する環境に適応的に追従する適応型分散システムの開発が必要不可欠である。適応性を実現する手法のひとつとして、大腸菌の振舞いを模倣したアプローチであるアトラクタ選択が挙げられる。本発表では、MANET におけるクラスタリングに対して、アトラクタ選択を利用したアルゴリズムを提案する。クラスタリングとは、ネットワーク中のノードを複数の小規模なグループに分割する問題であり、効率的なネットワーク管理に利用可能である。本発表では、シミュレーションにより提案手法の有効性を示す。
18:00 〜 20:30
夕食
20:30 〜 22:00
[ナイトセッション] 担当: IHK 分科会
IHK 分科会企画: おぢさんのための最新ネット動画配信事情
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おぢさんのための最新ネット動画事情
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地デジコピー制御の崩壊
22:30 〜 24:00
[ナイトセッション] 担当: PC/LA
故平原正樹先生追悼BOF−
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全般的に
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九大時代
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奈良先時代
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MERIT 時代
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ISIT/MIS 時代
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ISIT 時代
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CRL/NICT 時代
3 日目 (2008 年 11 月 7 日 (金))
9:00 〜 11:00
[特別セッション] 担当: PC/LA
新世代ネットワークに向けて — 故平原正樹先生追悼特別セッション —
チェア: 未定
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平原記念シンポジウムの計画
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端末間通信性能の向上とルータ設計に関する研究開発
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新世代ネットワークアーキテクチャの研究 −AKARI Project−
11:00 〜 11:30
クロージング
問い合せ先
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