meet13 program

ITRC meet13 プログラムの詳細です。

1 日目 (2003 年 5 月 21 日 (水))

9:30 〜 18:00

QAI/IA/IRC 共催研究会

18:30 〜 20:00

夕食 (懇親会)

20:00 〜 21:30

[11] JAMINA

チェア: 辰巳治之 (札幌医科大学)
イントロダクション

  1. 医療 VPN 計画
    木内貴弘 (医療ネットワーク委員会委員長、大学病院医療情報ネットワーク研究センター長)
    インターネットプライベートアドレスの一部を医療機関専用に予約することにより、医療機関だけが接続可能な VPN ネットワーク (医療 VPN) を構築する方法を提案した。更に医療 VPN 実現のための第一段階として、全国 42 の国立大学病院を相互接続している UMIN VPN と、全国立病院が専用線で接続されている HOSPNET との間で、VPN による相互接続実験を行った。
  2. eHealth Solution for secure life
    唐川伸幸 (ホームアイランズセキュリティ協議会理事長)
  3. SSS-PC の開発とその応用の可能性
    松本 尚 (国立情報学研究所 情報基盤研究系 SSS-PC プロジェクトチーム)
    近年、コンピュータネットワーク (インターネットや企業内ネットワーク) の規模が拡大し、ネットワーク利用者が急速に増大している。ネットワークの利用方法も年々高度化して、マルチメディアデータがネットワーク上において流通し始めている。携帯電話によるデータ通信の容量もブロードバンド化によって、大幅に増強されつつある。これらの現象に伴い、ネットワークを流れるデータ量が大幅に増大し、多くの人にとってネットワークの重要性が高まっている。このため、ネットワークを介した情報処理の中核となるコンピュータ (サーバマシン) の需要も大幅に増大し、サーバを低コストしかし高性能・高信頼で実現する技術への要求が増大している。このため、1994 年より情報処理振興事業協会等の資金援助を受けてスケーラブルオペレーティングシステム SSS-CORE の研究開発した。SSS-CORE は高いスケーラビリティを有するワークステーションクラスタ向けの高性能オペレーティングシステムである。しかし、ワークステーションを対象としたクラスタ用オペレーティングシステムであるため普及に難があり、オリジナル API を採用していたため他オペレーティングシステム用アプリケーションの移植に手間がかかっていた。このため、SSS-CORE とその開発内で考案実現された MBCF 通信同期機構をベースに、PC クラスタを主対象にした新たな SSS-PC オペレーティングシステムの開発を 2001 年よりスタートした。SSS-PC では、PC による低コストのシステム構築、高可用性、冗長性を使った高信頼性、UNIX とのアプリケーション開発の互換性を、従来の並列処理による処理速度の向上に加えて目標としている。SSS-PC を利用することにより、PC クラスタによる大規模サーバ運用が低コストで可能になる。SOHO では、企業の発展に歩調を合わせて、ノード台数増強によりシステム能力をスケールアップできる。SSS-PC で構築されたサーバはメンテナンスや性能増強のために、システムはもとよりアプリケーションでさえ停止させる必要がない。
  4. 次世代ネットワークの為に
    辰巳治之、戸倉一、明石浩史、大西浩文 (札幌医科大学)、水島洋 (国立がんセンター研究所)、永田宏 (KDDI研究所)、田中博 (東京医科歯科大学)、西陰研治 (北海道総合技術研究所)

[12] V6P

チェア: 藤川 賢治 (京都大学)

  1. >End-to-End マルチホームのためのアドレシングアーキテクチャ
    大平、緒方、松本、藤川、岡部
    家電をインターネットに接続しようという動きが徐々に現れ始めている。このことを考えると各家庭がマルチホームをしたいという要求を出す日も遠くないと思われる。そのような状況においても十分スケールするようなマルチホーム方式として End-to-End マルチホームという方式が提唱されている。本発表では End-to-End マルチホーム方式について概説した上で、この End-to-End マルチホーム方式を効率よく実現するためには IP アドレス体系はいかにあるべきかを述べる。
  2. End-to-End マルチホーム対応 TCP の設計と開発
    松本 存史、藤川 賢治、 岡部 寿男
    従来のルーター間の経路制御プロトコルによって実現されてきたマルチホーム技術はいくつかの大きな問題を抱えており、この手法が IPv6 にそのまま適用できるとは考えにくい。そこで、大平らによって提案されているアドレシングアーテキクチャに基づいた End-to-End マルチホームと呼ばれる 2 端末間でのインタラクションによって実現するマルチホームが今後一般的になってくることが期待される。本研究ではこの複数のアドレスを持つホスト同士がマルチホーム環境を活かした通信を行なうための仕組みをトランスポート層で提供することを目的とする。また同様の機能を提供するものとして、同じくトランスポート層でマルチホームに対応した通信を行なう SCTP と、アプリケーション層でマルチホームに対応した通信を行なうためのフレームワークを提供する LIN6 AggressiveAPI との比較を行なう。
  3. JGN IPv6 ネットワークモニタリング環境について
    齋藤武夫 (株式会社サイバー・ソリューションズ)
    現在構築中の JGN IPv6 ネットワーク・パッシブモニタリング環境について、その構成と現在稼動中のービス、今後の予定などについて紹介させていただきます。

2 日目 (2003 年 5 月 21 日 (木))

9:00 〜11:10

[21] E-Learning

チェア: 松井 (CSK)
3 名の発表者を迎え、本格的な活用が始まる「コース管理システム」を中心とした Web ベースの教育環境にスポットを当てました。最初の発表は、名古屋大学に Web-CT を導入された梶田助教授から、今までの苦労話と今後の展望について発表して頂きます。2 番目は、いよいよ日本上陸の「ブラックボード・システム」の紹介をブラックボードジャパンの井上様より行って頂きます。そして最後に「Web-CT」をユーザの活用事例を交えながら、CSK の岩澤様より、発表して頂きます。活発な意見交換をお願いします。

  1. 大学教育とコース管理システム
    梶田 将司 (名古屋大学情報連携基盤センター助教授)
    現在、我が国に限らず世界各国における高等教育は、グローバル化の進展という新たな事態に際し、国際的な水準を視野に入れつつ、教育活動の質的な向上が求められている。その一方で、工業社会から知識社会への転換が急速に進んでおり、ビジネススクールやロースクールなどにおける高度職業人の養成や地域市民を対象とした生涯学習機能の提供も現在の高等教育機関には求められている。このような流れ中、北米では WebCT や Blackboard のようないわゆる「コース管理システム (Course Management System; CMS) 」の導入が急速に進んでおり、約 75% の大学が何らかのコース管理システムを全学的に導入し、約 20% の講義で実際に活用されている (データは 2001 Campus Computing Survey より抜粋。米国での調査結果)。本報告では、WebCT 、Blackboard 、MIT の OKI (Open Knowledge Initiative)、ミシガン大学の CHEF 、ミシガン州立大学の LON-CAPA 、JA-SIG の uPortal の話題を交えながら、コース管理システムの過去・現在・未来について語る。
  2. キャンパス IT 化の現状と Blackboard 社の取組
    井上博樹 (ブラックボードジャパン株式会社 代表取締役)
    1997 年コーネル大学発祥の Blackboard 社は、「インターネットを教育・学習活動の強力なツールにする」というスローガンを掲げ、世界で 2900 の教育機関に導入されています。日本でもその多言語版が 2003 年 4 月時点で既に 20 校程度に導入され、キャンパスポータル構築や、日々の教室における授業支援、予復習の支援、遠隔講義支援等、さまざまな形態で活用されています。今回は、US、欧州、日本における事例を元に、未来のキャンパス像について Blackboard 社の掲げるビジョンや、それを実現するためのアプローチについてご紹介させて頂きます。
  3. 実践段階に入った学校向けeラーニング− WebCT 活用事例から−
    岩澤 亮祐 (株式会社 CSK)
    高等教育機関の情報基盤のひとつとして e ラーニングシステムの導入を行う学校はますます増加し、e ラーニングの実践についても試験的な運用から本格的な活用へとシフトしつつあります。本発表では、高等教育機関向けにご好評をいただいている e ラーニングコース管理システム「WebCT」のユーザによる e ラーニングの活用事例を交えながら、「WebCT」の特徴についてご紹介いたします。

11:10 〜 13:00

昼食 (ITRC 運営委員会あり)

13:00 〜 14:30

UAI

チェア: 渡辺隆行 (東京女子大学)
セッションタイトル「モバイル・ネットワーク機器による障害者支援」
1 番目のテレサポートは、FOMA のテレビ電話を使って視覚障害者の行動支援をしようというプロジェクトです。この計画を始められ御自身でも利用されている長谷川先生にお話いただきます。2 番目のユビキタス・ラジオは、第 7 回ビジネスジャパンオープン JT 賞 (最優秀賞) (http://www.japan-open.com/) を受賞したプロジェクトです。

  1. テレサポート
    1957 年点字情報処理研究発足から外界を触覚で知るテレサポートまで
    ENIAC から 11 年を経た 1957 年に、日本で開発されたパラメトロン素子によるコンピュータが試作されました。その実用テーマに「点訳の自動化」がありました。全盲で私の先輩の尾関育三氏がこれに参加していたことが私に影響を与えました。1973 〜 1974 年に、私は共同研究者と漢字を含む日本語の自動点訳と、点字からの漢字を含む日本語入力実験を行ないました。2001 年 10 月に世界初のテレビ携帯電話、NTT ドホモ P2101V が利用できるようになりましたので、視覚障害者福祉への応用としてテレサポートの実験と普及に着手しました。将来において、富士山など外界の景色を触覚で認知できるテレサポートの実現をするための基礎的体験をしています。http://tron.um.u-tokyo.ac.jp/TRON/EnableWare/TronWare/enableware/27b.html テレサポート NET; http://www5d.biglobe.ne.jp/~sptnet/
  2. ユビキタス・ラジオ
    新聞が、いつでもどこでも読めるように、新聞を音声で、いつでもどこでも聴けるように
    高木治夫 (NPO 法人 日本サスティナブル・コミュニティ・センター (SCCJ) 代表理事)
    ユビキタス・ラジオ −声で聞きたくなる新聞− Web 上の情報 (視覚をベースとした情報) を音声的情報にトランスコーディングし、PDA などのモバイル・インターネット携帯端末を利用して、視覚障害者・高齢者・移動者に、リテラシーフリーで、ニュース・本・観光イベント情報、ライフライン情報などの情報を音声で提供する。

14:30 〜 14:50

休憩

14:50 〜 16:20

[23A] ERI

チェア: 渡辺健次 (佐賀大学)

  1. DVTS と Web-GIS を用いた日韓多地点遠隔交流
    藤木卓 (長崎大学)
    Web-GIS コンテンツによる環境教育を、日韓で DVTS を用いて多地点接続で行うことを構想している。その概要を紹介する。
  2. つないでみたものの?
    中島唯介 (京田辺市教育委員会)
  3. 非情報系学生 (大学) の情報教育
    臼井義比古

[23B]INI

チェア: 曽根秀昭 (東北大学)

  1. サーバとの連携によるルータ装置の高速・高機能化手法
    小口直樹、川崎健、須藤 俊之、児玉武司、鶴岡哲明 (富士通株式会社)
    キャリアや企業のネットワークエッジに位置するルータ装置は、ハードウェアによる高速パケット中継に加え、VPN などの多様なサービスの実現やセキュリティ確保といった制御/サービス機能を取り込むため、サービスの変化に対する柔軟性と機能や規模に応じたスケーラブルなソフトウェア処理性能が求められている。こうした要求に対応するため、ルータ装置において中継機能と制御機能を分離し、制御機能を外部の情報処理機器 (サーバ等の計算機) に配置、両者を連携させながら中継を行うことで、柔軟なサービス対応とコンピューティング性能の確保を実現する汎用的な手法を提案した。本発表ではその実現方法について述べる。
  2. 田中耕一講演会映像中継報告
    菅野浩徳 (仙台電波高専、TRIX)、曽根秀昭 (東北大学、TRIX)、木村行男 (TRIX)
    3 月 19 日東北大学にて電子情報通信学会、電気学会共催による田中耕一氏の講演会が催された。メイン会場である川内記念講堂から、さらに 3 つのサブ会場 (東北大学: 2、東北学院大学: 1) を設け映像中継を行った。本発表では、その中継プロジェクトについての概略、システムの概要、今後の課題などについて述べる。
  3. 映像・音声と資料連動遠隔プレゼン方法についての一検討
    木村行男 (TRIX)
    映像・音声による遠隔コミュニケーションシステムに遠隔資料プレゼンシステムを結合した場合、映像・音声と資料説明のシーンがずれてくる事象が発生することがある。これは、もともと異なるシステムを結合したため、クロック同期がうまくとれないことから発生するものであるが、この対処について検討を行った結果を報告する。

16:20 〜 16:40

休憩

16:40 〜 18:10

[24] 計測 BoF

チェア: 小林 (CRL)

  1. Performance of Genkai / APII Link
    平原正樹 (通信総合研究所)
  2. サーキット場におけるMIPシステムの実験
    稲田文武 (ルート株式会社)

18:20 〜 20:00

夕食

20:00 〜 21:30

[25] 地域間連携 BoF (RNA)

チェア: 中川郁夫 (インテック・ネットコア)

  1. 秋田地域IXの概要と北東北三県連携への道
    佐々木信也 (秋田県工業技術センター)
    秋田県の施策「秋田地域 IX プロジェクト」事業により、純粋な民間企業が運用し、MPLS で構成された地域 IX (DATACOA 社 ATNAP) が稼働を開始して、4 ヶ月が経過した。この地域 IX 等により、H15 年度中には県内全域にわたる低廉かつ高品質なブロードバンドサービスが実現しつつあり、また、既に企業誘致をも成功させてきている。本発表では、この「秋田地域 IX プロジェクト」事業の特徴と、今後進められていくと思われる、青森・岩手・秋田にまたがる北東北三県連携の展望について報告する。
  2. 地域連携ネットワーク協議会の活動について
    加納輝之、石田亨 (財団法人ソフトピアジャパン)
    日本まんなか共和国、中央内陸県連合、GOOD 連合県等と連携し、わが国の基幹通信網の安全確保と国民が快適に利用できるネットワーク環境の実現を検討。また、国内外への発言力を高めるとともに、産業振興・研究開発・福祉・教育・防災など幅広い分野での地域間の連携を密にし、各地域の共存並びに地域振興を図るための地域連携ネットワークのあり方等について協議する。今回の発表では、これまでの活動内容を振り返りながら現状の問題? や今後の課題等について議論する。
  3. 岡山〜隣接県
    小林和真 (倉敷芸術科学大学)
    岡山情報ハイウェイの現状と今年度に計画されている拡張計画、今後の隣接県との接続に対するこころみについて紹介します。
  4. 四国広域分散 IX
    菊池豊 (高知工科大学)
    高知や四国における地域 IX の活動について述べる。その上で、地域IXの課題点と将来展望を考察する。さらに、県単位での IX が充実した後の地域間連携について議論する。
  5. 玄海プロジェクト
    岡村耕二 (九州大学)
    日本福岡と韓国釜山を直接無中継で接続する商用の光ファイバがあるが、玄海プロジェクトではこれを研究ネットワークのリソースとして利用している。現在は APAN (Asia Pacific Advanced Netwrk) NOC を福岡においたことと、玄海プロジェクトが SINET と KOREN (韓国研究ネットワーク) のトランジット運用を開始したことにより、APAN の日韓通信、および SINET の日韓通信は全てこの回線を利用しており、定常的に 100Mbps 程度のトラフィックが流れている。また、この機会によって九州 QGPOP と韓国 KOREN 研究者間でのネットワーク研究のつよいつながりもできた。本発表では、我々玄海プロジェクトがこの日韓光ファイバを研究ネットワークとして利用できるようになったまでの道のり、現在の状況、将来の展望などについて、ネットワーク運用を中心に様々な人間模様も含めて報告する。

21:30 〜 23:00

[26] インターネット放送

チェア: 太田昌孝 (東京工業大学)
インターネット放送について、技術的、制度的、法的可能性と問題点について論じ、場合によっては新たな分科会の発足につなげる。

3 日目 (2003 年 5 月 22 日 (金))

9:00 〜 11:00

[31] NGN

チェア: 大崎 博之 (大阪大学)

  1. 高速転送を可能とする TCP の輻輳制御方式
    長谷川剛、村田正幸 (大阪大学サイバーメディアセンター)
    1 Gbps を越える帯域を持つリンク上で既存のTCP Reno を用いると、その輻輳制御方式が原因で、リンク帯域を十分使えないことがわかっている。それに対して、TCP のウィンドウサイズの増減のアルゴリズムを変更し、高スループットを得ることができる HighSpeed TCP と呼ばれる方式が最近提案されている。しかし、その性能は十分に明らかになっておらず、また従来の TCP Reno コネクションとネットワーク帯域を共有した時の性能、公平性についても考慮されていない。そこで本稿では、まず HighSpeed TCP の基本的な性能を数学的解析およびシミュレーションによって評価し、HighSpeed TCP はバースト的なパケット廃棄が原因でリンク帯域を効率的に使うことができない場合があること、また TCP Reno との公平性の観点から問題があることを明らかにする。さらに、それらの問題点を解決する新たな TCP の輻輳制御方式の提案を行い、その有効性を評価する。その結果、HighSpeed TCP に比べて高いスループットを維持しながら、TCP Reno との公平性を改善できることが明らかとなった。
  2. P2P ネットワークにおけるストリーム型情報資源共有機構
    若宮直紀、笹部昌弘、村田正幸、宮原秀夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
    P2P 型ファイル交換システムでは、それぞれのピアが自律的に動作し、対等の立場で情報交換することにより、スケーラビリティの高い情報資源共有機構を実現している。本研究では、検索、取得における時間制約の厳しいストリーム型情報資源を P2P ネットワーク上で効果的に共有、交換するための制御機構について検討している。P2P ネットワークのそれぞれのピアをキャッシュと見做し、必要なストリームデータを効率的に検索するための検索メカニズム、ストリーム再生の途切れを防ぐためのストリームデータ取得先ピアの決定アルゴリズムなどを提案している。シミュレーションによる評価により、提案手法を用いることで、検索オーバヘッドを既存手法の 10 分の 1 に抑えつつ、途切れのないストリーム再生を実現できることを示している。
  3. ハードウエア TCP-NIC (TCP オフロードエンジン) の TCP 動作検証と性能評価・考察
    長谷川 洋平、下西英之、村瀬 勉 (NEC)
    近年、通信回線の高速化にともない、端末においてもより高い TCP/IP 通信速度の実現が望まれる一方で、その処理負荷が無視できなくなっている。このため、端末の CPU から TCP/IP 処理を切り離し (オフロードし) NIC 上のハードウェア資源で処理する TCP オフロードエンジン (以下、TOE) が注目を集めている。しかし、TOE のハードウエア制約条件のもとでは TCP がより複雑な特性を示すと予想され、筆者らは TOE の真の性能を評価するためには端末とネットワークを両方含む統合的な性能評価手法が必要であると考えている。本発表では実際に複数の TOE を評価した結果を示した後、その評価結果から、TOE を適切に応用するための方法について考察する。
  4. TCP Reno との公平性を考慮した TCP Vegasの改善とその応用
    山口 一郎 (NEC)、甲藤 二郎 (早稲田大学)
    現在、TCP の輻輳制御方式として TCP Reno が広く利用されている。TCP Reno よりもセグメントのロスが少なく、安定したスループットが得られる TCP Vegas が提案されている。しかし、TCP Reno と混在したネットワーク環境においてはスループットが大幅に低下してしまうという問題が発生する。そこで本研究では、TCP Reno とのスループットの公平性向上を目的としてTCP Vegas の輻輳回避フェーズにおけるウィンドウサイズ更新アルゴリズムを提案する。また、シミュレーションによって提案方式の有効性を定量的に明らかにした。さらに、提案方式のリアルタイムアプリケーションへの応用にについての考察も示す。

11:10 〜 11:30

クロージング

問い合せ先

PC

  • 松井 博也 (CSK)
  • 菊池 豊 (高知工科大学)

LA

  • 野川 祐記 (大阪大学)
  • 中村 豊 (奈良先端科学技術大学院大学)

その他、本研究会に関しての問い合せは、質問フォームで受け付けています。