ITRC meet12 プログラムの詳細です。
1 日目 (2002 年 11 月 13 日 (水))
14:00 〜 14:15
オープニング
14:15 〜 15:45
[11A] 医療インターネット
MDX2 分科会
セッション責任者: 辰巳 治之
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コンピュータネットワークを利用した遺伝子解析ヒトゲノムプロジェクトの進展により、ゲノムの全塩基配列データを用いた解析が可能になりつつある。また cDNA アレイ解析、SNP 解析などにより発現レベルからゲノムレベルにいたる網羅的な解析が可能になりつつある。我々は癌をはじめとする各種疾患の生物学的特長を明らかにし、遺伝子診断や分子標的薬剤開発につなげることを目的にアプリケーション開発、各種システムの構築を行っている。その 1 つとして高速並列処理技術を用いた遺伝子制御ユニット解析システムの開発を行った。具体的には癌抑制遺伝子 p53 の結合配列部位を全ゲノムで解析するシステムを開発し、これを用いて幾つかの新規 p53 標的遺伝子の単離に成功した。また平成 11 年より継続している北海道広域医療情報ネットワークプロジェクトにおいて市中病院で施行可能な cDNA アレイシステムを用いたネットワークによる遠隔遺伝子発現解析システム、テレビ会議によるカウンセリングを併用することで、遠隔地の被験者でも SNP などゲノム情報解析を可能とするシステムの開発を行っている。今後はこれらの結果と臨床データを含めたデータマイニングによりオーダーメード医療の確立、新規分子標的の同定につなげていきたいと考えている。この研究は新エネルギー・産業技術総合開発機構・平成 12・13 年度産業技術研究事業、日本学術振興会未来開拓学術研究事業「高度マルチメディア応用システム構築のための先進的ネットワークアーキテクチャーの研究」 (JSPS-RFTF97R16301) の成果の一部を含んでいる。ここに深く感謝の意を表す。
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万歩計と行動科学を応用した次世代健康管理システムの試み今年も平均寿命世界一を更新した日本において、従来の方法による健康増進には限界があると考えられる。そこで、IT (Information Technology) を用いた健康維持管理により生活習慣を緩やかに変化させることにより、健康増進だけでなく高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防にもつながるのではないかと考える。生活習慣病には肥満、運動不足が大きく関与しているが、実際の日常の運動量を定量的に測定することは容易ではなく、特に多人数を対象とする調査においては、個々の対象者の運動量を一定の基準で評価することは難しい。そこでオムロン社製歩数計 (HJ-700IT) を使用することで、従来では非常に困難であった時間単位の運動量を、24 時間、365 日計測することを目標とし、電子カルテの理想型である ASP (Application Service Provider) モデルにより、次世代インターネットプロトコルである IPv6 を用い、ユビキタスコンピューティングによる住民自らの健康維持管理を目指す。また行動科学的理論を応用することで運動の継続性を高めることにより、健康増進および生活習慣病予防を目指していく。
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IPv6 による北海道広域医療情報ネットワークのチャレンジ我々は広大な面積を持つ北海道における遠隔医療支援を目的に、MDX (JAMINA) の構想のもと、国土交通省北海道局のプロジェクト及び厚生科学研究費にて、平成 11 年度より北海道における広域医療情報ネットワークシステムの構築を行って一部実証実験を行ってきた。今年度は帯広市を中心とする十勝地区をフィールドに、大学病院−地域中核病院−個人病院・クリニック、一般家庭までの多段階かつ面的な接続を、次世代ネットワークのプロトコルと言われる IPv6 を使って構築し、遠隔医療支援の実証実験を行う。基本的には IPv6 global Address を使用するが、IPv6 に対応していない機器に関しては IPv4 private Address を使用しトランスレーターにて通信を行う。また患者のプライバシー保護の必要性を鑑みて、IPv6 P2P VPN を株式会社ディアイティ様との共同研究として実験を予定している。
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医療情報 IDC のための患者行動調査
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医療系における IPv6 活用プロジェクト
15:45 〜 16:00
休憩
16:00 〜 18:00
[12A] インターネットの構築運用技術研究の確立に向けて
セッション責任者: 渡辺健次
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教育用地域ネットワークでのマルチキャスト運用開始まで京田辺市では、校内テレビアンテナの再工事が必要となる小中学校が少なくない。一方では、教育の IT 利用に伴い、校内 LAN の整備が必須となっている。そこで、校内 LAN を通じてテレビ放送の再送信を行うだけでなく、地域ネットワークを利用した放送も可能にすべく、マルチキャストを利用した映像の配送システムを構築したので紹介する。
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運用を研究にしようか?
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インターネットの構築運用技術研究の確立に向けて
18:00 〜 20:00
夕食 (立食懇親会)
20:00 〜 22:00
地域インフラ、お国自慢
RNA 分科会
セッション責任者: 中川 郁夫
各地で、地域インフラの構築への動きが活発である。最近では MPLS を用いた階層型 IX 技術や、10/1GbE などに代表される高速インターフェース、あるいは DWDM や光スイッチに代表される多重化技術など、各地の地域インフラはますます高速化されつつある。本セッションでは、各地で採用される最新インフラ技術動向について語り合う。
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自律的 IT 活用型社会を目指した長野県地域情報ネットワークの整備
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北海道の情報基盤事情
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京都 ONE の概要と具体的活動京都地域内で構築を進めている「京都 ONE」について、インフラの紹介と、このインフラを利用して行なおうとしている実験の紹介を行う。
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四国広域分散 IX 構想
2 日目 (2002 年 11 月 14 日 (木))
9:00 〜 10:00
研究発表 1
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ルータの情報付加によるボトルネックの発見と輻輳制御方式従来 TCP で行われていたパケットロス、RTT をもとにした端末間輻湊制御方式ではネットワークの広帯域化にともない十分な効果が得られなくなると言われている。これに対応するため、ルータがパケットの輻湊フラグを設定する ECN、輻湊状況に応じてルータが最適な window size を示す方式などが提案されている。本発表では、経路上の輻湊状況を短時間 (例えば TCP で window size が大きい状態では RTT の 2 倍以下) で検出し、端末間輻湊制御のパラメータとする方式を提案する。
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スムーズなハンドオーバ機構を持つ移動透過性アーキテクチャ MAT の実装ケーブルを配置する必要のない無線 LAN は学校やオフィスにおいて、急速に普及してきており、ホットスポットなど屋外で利用することのできる無線 LAN のアクセスポイントも増加してきている。このように無線 LAN 環境が増加してくると通信を継続させたままハンドオーバできる機能が必要となってくるが、これは現在の IP では実現することはできない。さらに、さまざまなサブネットに接続するノードは、サブネットごとに異なる IP アドレスをもつため、他のノードからアクセスすることが極めて困難である。本研究では、上記の様な問題を解決する、すなわち移動透過性を持つ新たな IP、MAT の設計と実装をおこなった。また、MAT はノードが複数のインターフェースを持っていた場合、通信を全く中断することなくハンドオーバできるよう設計されており、実際にノードをハンドオーバさせ、スムーズに接続しているサブネットを切替えることができることを確認した。
10:20 〜 11:40
研究発表 2
セッション責任者: 前田 香織
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MPEG2TS
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多目的な音声伝送システム MRAT の開発本研究では、多様な目的の音声伝送に要求される条件を検討し、それぞれの状況に対応できる音声伝送システムの開発をしている。システムの実装は、Mbone のツールの一つである RAT (RobustAudio Tool) を拡張し、低遅延や Reed-Solomon 符号を用いた FEC によるエラー回復機構などを選択する。
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遠隔監視機能を持つホームサーバの設計近年、ホームサーバを用いたホームネットワーク構築の環境が整いつつある。ホームサーバに遠隔監視機能等を導入し、遠隔から家庭内やビル等の監視や制御を手軽に行うことが検討されている。本研究では遠隔監視を遠隔会議などのマルチメディア通信の一つの形態と考え、その観点から特徴をまとめる。それにより、遠隔地の映像だけでなく、様々な状態変化の取得を行うホームサーバを設計する。
11:40 〜 13:30
昼食 (ITRC 運営委員会)
13:30 〜 15:00
Web のアクセシビリティ
UAI 分科会
セッション責任者: 渡辺隆行
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VoiceXML と音声インタフェースの課題VoiceXML など既存の音声インタフェース記述言語の現状を概観し、人間中心デザインや開発効率などの視点から今後の課題について述べる。また、現在開発中の音声ドキュメント記述言語 RadioDoc について述べる。
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文章構造化の現状と課題Web の文章構造化とユーザビリティ向上、Web の表現力を維持することとアクセシビリティの確保の問題、文章の構造化の利点、電子メールのアクセシビリティ、等を議論する。
15:10 〜 16:40
インターネット計測
MAI 分科会
セッション責任者: 小林克志
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高遅延/高帯域環境下での TCP 伝送の実証高遅延/高帯域における TCP 伝送で十分は性能を発揮するために、従来のウィンドウサイズの制限を改善する Window Scaling オプション、ロスによる輻輳機構の処理を回避する SACK (Selective Acknowledgemnt)、劣化しがちな RTT の精度を改善するためのタイムススタンプオプションが実装されてきた。本発表では、これらの拡張が施された TCP を用いた高遅延/高帯域な実ネットワークで行った高速な TCP 伝送の実証、実験で得られた知見について述べる。また、実ネットワークを対象とした、高速な TCP 伝送の動向を紹介する。
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高安定 PC によるネットワーク計測セシウム原子時計の高精度なクロックにより駆動する高安定な PC では、標準偏差 300 ナノ秒の精度でネットワーク遅延を測定することができる。通常の PC およびハードウェアによるタイムスタンパと比較するとともに、高安定 PC による回線利用度および接続装置の負荷推定などの可能性について報告する。
16:50 〜 18:15
デモ解説セッション
PC 枠
セッション責任者: 野川裕記
- 16:50 〜 17:20 Caw networks
- 17:20 〜 17:50 日商エレクトロニクス
- 17:50 〜 18:15 京大
18:15 〜 20:15
夕食
20:15 〜 22:00
キャンパスネットワークにおけるセキュリティ BoF
PC 枠
セッション責任者: 野川裕記
話題提供として、大阪大学では、文部科学省科学 技術振興調整費新興分野人材養成の助成を受け、「セキュア・ネットワーク構築のための人材育成プログラム (SecureNet プログラム)」 (http://www.cmc.osaka-u.ac.jp/SecureNet/) を行っているので、その紹介をしたいと思っています。また、実際のキャンパスネットワークでセキュリティ対策をする際に必要な L8 L9 レベルのどろどろした話をざっくばらんにできたらよい、と思っています。
22:00 〜
シンポジウム BoF
3 日目 (2002 年 11 月 15 日 (金))
9:00 〜 11:00
VL BoF
PC 枠
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VL プロジェクトにおける岩手県立大の現状報告および今後の計画
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RealSystem を用いた仮想研究室監視システムの実現
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京都大学の VL への取り組み
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完全分散型 P2P CDN におけるリクエストルーティングの提案
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VL におけるインフォーマルコミュニケーションの提案
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VL におけるコミュニケーションと今後の課題
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出張支援システム
11:10 〜 11:40
クロージング
問い合せ先
PC
- 野川 裕記 (大阪大学)
- 中村 豊 (奈良先端科学技術大学院大学)
LA
- 相原 玲二 (広島大学)
- 西村 浩二 (広島大学)
その他、本研究会に関しての問い合せは、質問フォームで受け付けています。